PROJECT

プロジェクトストーリー

02.Package design

「薬箱をモチーフにしたい」
クライアントからの依頼に、
チームが一致団結した。
―御菓蔵「越中富山の常備菓子」

02.Package design

PROJECT MEMBER

宮崎 公平

福岡営業所
2012年入社

入社2年目より富山営業所で4年間営業を務め、現在は福岡営業所の営業としてお酒・食品メーカーを担当。妻と子に癒されながら、福岡の食の旨さに感激する毎日を過ごしている。

伊藤 正宣

リレーションデザイン部
第3パートナーグループ
2006年入社

東京支店でお酒・食品メーカー担当の営業を5年間経験した後、川北事業部へ。営業の視点を生かしながらパッケージ設計に従事している。

新濃 直子

リレーションデザイン部
第3パートナーグループ
2000年入社

デザインチームでリーダーを務める。書を使ったデザインや素朴な雰囲気のデザインを得意とし、ラベルやパッケージなど広く手腕を振るう。

山﨑 文

リレーションデザイン部
第1パートナーグループ
2009年入社

他業種でデザイナーとして勤務後当社へ入社。デザイナー視点を生かした企画を行うアートディレクターとして、パッケージから観光パンフレット・ポスターまで幅広く活躍する。

アイディアの種から、デザインを広げる

宮崎入社後、印刷課や営業の先輩社員についての研修を経てから富山営業所に配属されました。配属後は、上司にフォローしてもらいながらさまざまなお客様を担当しました。御菓蔵様も初めて担当したお客様のひとつです。商品カタログやDMなどを中心とした販促物の制作をご依頼いただいていました。

山﨑私はそれらの制作には携わっていなかったのですが、御菓蔵様の商品のおかきを食べたとき、「この商品は、こんなコンセプトでデザイン展開してもおもしろそう」と感じたことがありました。たまたま宮崎君と話したときに、そのことを言ってみたら「自主提案しませんか?」とお返事いただいて。

宮崎まずは提案しなければ始まらないと思いました。トライ&エラーを繰り返した先に成果があれば良いと思って、さまざまな提案をさせていただきました。

山﨑ターゲットを女性にしたパッケージとか、いろいろな提案をしましたね。宮崎君と一緒にプレゼンにも何度か行きました。

宮崎それらが功を奏したのか、ご提案にうかがった際に先方から「薬箱」をモチーフにパッケージを考えてくれないか?と打診がありました。富山県ではなじみ深い「配置薬箱」、いわゆる「置き薬の箱」ですが、先方の家にも少し年期の入った「配置薬箱」があったようです。それをアイディアの種として、私に投げかけてくれました。

山﨑そこからはすごいスピード感で制作が進みました。せっかくいただいたアイディアの種だったので、早く形にしたかったからです。

新濃本当にすごいスピード感だったと思います。デザイン的には「配置薬箱」というモチーフが決まっているので、スムーズに進行できたと思います。昔から富山の人々に親しまれてきたビジュアルを、どうやってお菓子のパッケージに落とし込むのか。もちろん先方が今まで築いてきたイメージもあるので、そのイメージと今回の新パッケージとのバランスも含めて、山﨑さんと一緒に考えを深めました。

山﨑「配置薬箱」をお菓子のパッケージにするって、お土産として買う方も話のネタになるんじゃないかと思ったので、遊び心たっぷりに進めました。パッケージの設計も含めて、遊び心ある商品にしたかった。

伊藤私が構造設計に取り掛かるころには山﨑さんと新濃さんでデザインイメージが仕上がっていました。宮崎君の士気も高まっていたので、より気合いが入りましたね。

軟包材も含めたトータル提案へ

伊藤パッケージを設計するぞという段階で、まだ中身にどのお菓子が入るか決まっていなかったんですよね。

新濃そうなんです、伊藤君にはダミーで設計してもらったんですよね。予想するくらいなら、中に入る個包装のデザインも提案していいんじゃない?と思ってそのまま進めてしまいました。

宮崎進めてもらってよかったです!当社では軟包材の印刷も行っているので、中に入れるお菓子の包材もトータルで提案できます。しかし、ラベル・パッケージ印刷の印象が強く、軟包材印刷をしていることも知られていませんでした。この案件こそ、知ってもらうチャンスだと思いました。外箱と中の軟包材、すべてデザインの雰囲気を揃えた方が絶対「売れる」と感じたこともあり、チームのみなさんにまたお任せしました。

山﨑中身の包材も徹底的に「遊び心」を心がけてデザインしてもらいました。箱と一緒に見たときの、色の映え方とか、置き薬のレトロさを表現するためのイラストのチョイスとか、打合せも盛り上がりましたね。

新濃そうそう、こうなったら楽しんで進めようと思って。遊び心と勢いで仕上げましたね。先方からこんな文字を入れてほしいという要望が出る前に、文章やキーワードも精査して一緒に提案したんですよね。

山﨑とことん薬っぽくしようって思って、用法・用量・効能も入れました。

新濃「用法:空腹時におもとめください」「用量:お子様からお年寄りまでおいしく食べられる量を」「効能:おいしく幸せな気分になります」ですよね。このコピーもしかり、本当に自由な気持ちでデザインを進めました。初回に提案したデザイン・コピーがほとんどそのまま決まったので、嬉しかったですね。こちらが思っていた方向性は間違っていなかったんだなって。

宮崎中身の軟包材も受注できたのは、軟包材を担当するFP業務課と制作チームの総合的な提案力を発揮できたからだと感じます。

山﨑もちろん外箱の構造もこだわりましたよ。配置薬箱のように引き出しタイプは絶対で、二次利用もできる丈夫さがほしいと伊藤さんに設計をしてもらいました。

伊藤引き出し部分には、引き出しの取っ手のイメージがデザインされていたので、それを生かせるようにしたり、しっかり引き出せるようにしたり、いろいろと工夫しましたね。

宮崎単純に穴を開けたら、虫などの異物混入の危険性もあるので、そこは入念に考えてもらいました。これも何気ない会話の中から出てきた「ティッシュ箱」がヒントになって解決できました。伊藤さんには感謝です!

伊藤二次利用については、まさに妻の実家で「薬箱」として使われていたので驚きました(笑)

宮崎まさにモチーフ通りに使ってくださったんですね!

伊藤それを見ても、素材を段ボールにしてよかったと思います。強度もバッチリだから、二次利用されてもへたっていなかったです。

「売れる」嬉しさ、「評価される」嬉しさ

宮崎店頭で「常備菓子」を見かけるとやっぱり嬉しいですね。今は福岡に住んでいるので、そんな見られないのですが、たまに見ると嬉しい。自分の子どもにも、お父さんがつくったんだよって言えるのがいいですよね。

伊藤誇れる仕事っていいですよね。自分が設計したパッケージが「売れている」って聞くのも嬉しいですね。全国推奨観光土産審査会で「越中富山の常備菓子」が厚生労働大臣賞を受賞したのを聞いたときも、自分のことのように喜ばしかったです。

新濃2016年に開催された第6回金沢ADCでKanazawa ADC賞を受賞したときは驚きましたね。

山﨑そうですね、受賞できるかわからなかったのですが、周りに出品を薦められたのはもちろん、石川県外で活躍されるトップのクリエイターさんに評価されたのは自信につながりました。

宮崎はじめの方にも言いましたが、トライ&エラーを繰り返した先に成果があればと思い、この案件を進めていきました。結果、先方の「売れる」に貢献できて、改めて誇らしい気持ちです。チームで意見を出し合うことで、クオリティの高い提案ができたのも、モチベーションにつながったと思います。また、制作チームやFP業務課など、課を超えて「前向き」に人を巻き込んでいくことが、仕事の幅や質に影響を与えるのだと改めて実感し、営業としてすごく学びにつながった仕事でした。

Kanazawa ADC賞でもらった盾

「理解して伝える」ことが大事

宮崎この案件はチームの総合力を発揮できたいい事例だったなと思います。みなさんこれからどんな人と一緒に制作に取り組みたいですか?

山﨑そうですね、やっぱりおもしろい考えを持っている人とは一緒に働きたいと思います。思いがけない言葉をもらうと、自分のアイディアの幅も広がりますし。そして最後までやり抜く力を持っていることも大切じゃないでしょうか。

宮崎制作チームのみなさんは、いつも新しい視点で案件にのぞんでいると私も思います。柔軟な考えや自由な発想あっての制作チームですね。

伊藤おもしろい考えを持っても、それが最後までカタチにならないといけないですよね。そこをまとめるディレクターや、お客様と実際にやりとりをする営業の力はすごく重要になると思います。

新濃お客様の「伝えたい想い」が一番重要で、制作の基本になりますからね。だから「お客様の想いを理解して、しっかり汲み取る」ことが大事です。もちろん私たちも営業のヒアリング結果からお客様の意図を理解しなければいけません。そこから、お客様の歴史や販売地域、社会的情勢などさまざまな情報と合わせて、コンセプトやデザインモチーフなどが決まると思うので。

伊藤そう。私たちはお客様の「伝えたい想い」を実現できるように120%、いや200%の力を出して制作に取り組みます。だからこそ、お客様の正確な意図を伝えられる営業やディレクターじゃないと、困る。そして私たちがつくったものに込めた想いを、お客様にしっかりプレゼンしてほしい。お客様の想像以上のものを力いっぱいにつくる制作も必要だし、それをわかって動いてくれる営業も必要ですね。その2つがうまく組み合わさって、チームとして案件に取り組めるんじゃないかと思います。

新濃私もそう思います。だから、一緒のチームとして働くなら「想いをしっかりくみとって、わかりやすく伝えてくれる力」がほしいですね。デザイナーとして「伝える」のはデザイン上の話ですが、「真に理解して伝える力」といえばいいでしょうか。

山﨑理解して、伝える。確かに、営業や制作関係なく大切な力ですね。

宮崎お客様の想いを制作のみなさんに伝えることって、やっぱり難しいと思うときもあります。お客様の言葉を字面通りに受け取っても理解したことにはならないので、言葉の真意を探ります。受け取った言葉通り伝えると変な方向に行きそうなときは、自分の言葉に戻してからかみ砕いて伝えるとか。そういうのが難しいです。だから、営業をやるならそれらが得意と思っている人がいいなとは思います。柔軟に受け取って、柔軟に返せるような人が当社のスタイルかなって。

山﨑宮崎君は、私たちに投げかける言葉のチョイスがすごくわかりやすいですよね。そして私もお客様と直接打合せなどに行くことがあるので、「理解して伝える」難しさはわかります。営業をやっていて、どんなところが楽しいと思いますか?

宮崎そうですね、お客様の要望の本質をつかみ、仮説をたてて作戦を実行し、それが成功したときの「してやったり」という快感に尽きますね。営業は仕事の最前線に立ちつつ、俯瞰的に仕事の流れを把握する必要があります。基本的に1人では何もできませんし、失敗やピンチを真正面で受け止めなければいけないときもあります。ですが、仕事の大小問わず、社内・社外の人と協力し合い課題解決できたとき、ダイレクトにその喜びを享受できるのは営業の特権だと思っています。

山﨑喜びをダイレクトに分かち合えるのは、お客様と密にコミュニケーションをとる営業ならではですね。

宮崎私たちの仕事はお客様あっての仕事なので、いかにお客様の本質をつかむか、その先にいるエンドユーザーの喜びに変えられるかだと思います。「お客様が喜ぶ、良いものをつくりたい」という気持ちは営業、制作、印刷オペレーターも関係なく共通しています。同じ目標に向かって、一致団結して頑張るのが好きな人にはオススメな仕事だと思いますよ。