PROJECT

プロジェクトストーリー

01.Branding

全社員が目指す方向を合わせるために、
共に走り抜いた1年半のプロジェクト。
―吉田酒造店「プロジェクトY」

01.Branding

PROJECT MEMBER

濵田 雅已

リレーションデザイン部
第2パートナーグループ
2007年入社

物流管理業務を経て、紙媒体・WEB等のプランニング・ディレクションを担当し、「WEB解析」を軸とした一気通貫での提案を得意とする。家族を愛するステキパパな一面も。

出島 紀子

リレーションデザイン部
第3パートナーグループ
2007年入社

シンプルに魅力が伝わる表現を心がけるデザイナー。入社後よりラベル・パッケージのデザインに勤しみ、素朴なタッチのイラストも得意としている。

井上 浩和

営業2部営業2課 課長
1993年入社

本社や東京支店での酒造メーカーを中心とした営業担当を経て、コンテンツ系のディレクションにも携わる。いろいろな人と関われることこそ営業の醍醐味と考え、お客様と打ち上げで飲む日本酒の旨さを猛PUSHする良き課長。

プロジェクトの前身は、新しい試みのサポートだった

井上このプロジェクトのきっかけとなったのが「u yoshidagura」シリーズでしょうか。吉田酒造店の専務が30代という若い感覚で商品開発に取り組み、「手取川」とは違う新しい味を発売するという、いわば「チャレンジ」の新シリーズです。そのシリーズでは、ラベルデザインも含めて専務の目指す姿を表現したいとお話をうかがいました。

出島その新シリーズのデザインには携わってないのですが、専務と同じ感覚を持って制作を進めていたことは聞いていましたね。

井上そうなんです。専務と同年代のメンバーと一緒に制作を進めたのですが、「手取川」や「吉田蔵」のような力強く伝統を感じさせるデザインではなく、革新性と地域性を併せ持つ「u yoshidagura」シリーズらしいイラストと優しいカラーリングで仕上げた新しいデザインに仕上がりました。新シリーズの制作という新しい試みのサポートを重ねながら、合間合間に吉田酒造店の「らしさ」について触れる瞬間がありました。

濵田そんな中、吉田酒造店の3年間を追ったドキュメンタリー映画「The Birth of Sake」が完成したとお聞きしたんですよね。

井上はい、映画はできたけど、劇場公開の予定はない。でも地元の人には見てほしい、とうかがいました。とてもすてきな映画だったことに加え、当社は過去に映画の制作に携わった経験もあったので、「ぜひ手伝わせてください」と申し出ました。金沢21世紀美術館での上映イベントを企画して、濵田君と出島さんにもイベントスタッフとして協力してもらいました。

出島懐かしいですね。今まで経験したことのない仕事だったので、そのイベントまでは不安と緊張が押し寄せる日々を過ごしていたのを覚えています。

濵田準備を進める中で、この上映イベント自体が吉田酒造店にとって全社員同じ目標に向かって動く、結束力を高めるものだと感じるようになりました。先方も同じだったようで、イベントを「インナーブランディング」という位置づけと考え、より奮闘しました。専務も映画で感じた想いを社員と共有したいと意気込んでいました。

井上上映会イベントが無事終わったときは、本当に感激でしたね。

濵田イベント時には来場者と同時に、吉田酒造店の社員にもアンケートを取りました。社員向けアンケートは私たちは見ておらず、専務が確認されたのですが、そこで初めて見る社員の意見があったそうです。後に改めて一人一人にヒアリングを行い、全社員の意見を吸い上げた。そこから社内的な動きが始まったのかなって。なおさら、上映会ってすごい意味のあるものだったと思いますね。今でも印象に残っているのが、上映会イベント後のパーティで「こんな風に社員全員が集まることはない」と専務がおっしゃっていたことでしょうか。ドレスアップした全社員が、営業・製造という部門の垣根を越えて集まり、お酒を飲む機会が今までなかったようで。私自身、当日初めて会う蔵人さんと話すうちに、感極まってハグしてしまったり、泣いたりしてしまいました。

出島そうそう。男泣きしていましたね。専務が最後に私たちに感謝の言葉かけてくれたとき、ぱっと見たら二人とも大泣きしているの。

井上安堵の涙です(笑)

出島思い返すと、お客様がどれくらい集まるのか、毎日ドキドキしていました。

濵田そうそう。そのドキドキがすごくあったので、イベントが成功に終わって一気にほっとしました。よかったなって思っていたら、井上さんが泣いているんだもん、もらい泣きしますよね。

井上泣ける仕事って本当に良いと改めて感じた瞬間でしたね。

u yoshidaguraシリーズ
「手取川 純米大吟醸 kasumi」
「The Birth of Sake」DVDとチラシ
上映会イベント時に
先方からいただいたオリジナルTシャツ

若手メンバーで考える、今後の方向性

井上イベントを終えてすぐに「プロジェクトY」が本格始動したんでしたね。

出島「この会社はどこに向かっていくか?」を明確にするために、専務が各部署から選抜メンバーを集め、私たちも含めて月1-2回の会議をしました。

濵田メンバーは若手の方で構成されていました。これは私たちの考えと専務の考えがリンクしたと思うのですが、これからの吉田酒造店を担うメンバーにこそ、一緒に未来について考えていくことで、自分たちで考えたんだという意識を持たせたかった。私たちだけで頑張って考えても、出来上がったときに先方に大事にしてもらえないのではと思ったのです。できるだけ先方にもブランディングの根底を考える作業に介入してもらう、これからを支えていくメンバーで進めるというのはとても意識しました。

井上実際に始まったプロジェクトは、探り探りの状態でしたね。これからの吉田酒造店が、どんな方向にいくべきかをみんなで話し合いましょう。ということで、私たちは他社の事例をあげたり、次回はこんな風に進めましょうかと提案したりと、ゆったりと進めていったと思います。

濵田会社の方向性について、ありとあらゆる角度から考えたかったし、先方のプロジェクトメンバーのみなさんにも考えてほしいと思ったので、会議用の資料はたくさん作りました。商品構成をポジショニングマップした資料とか、現存しているロゴを整理するとか。

出島本当にサポートに徹しましたね。そして1年半かけて生まれたビジョンが「hand in hand」でした。もちろん言葉の提案とかはしたのですが、重要なキーワードの7割はもともと先方が持っていた言葉です。

濵田私たちはその表現をとがらせはしたけど、メンバーが考え抜いて決定した言葉でした。それをメンバー自身が全社員に向けてプレゼンをしました。社長や専務ではなくて、これからの吉田酒造店を支えていくメンバー自身の口から、1年半の集大成の言葉をプレゼンする。すごく意味のある時間だったし、先方の節目の瞬間に立ち会えたと思えました。

井上私たちが指導してとか、提案してとか、先方を引っ張っていったというよりは、並走したというか。次はこうした方がいい、ああした方がいい。こんなのどうだろうか、とかお互いに探りながら出来上がった言葉だと思います。

ビジョンを表現に落とし込む

濵田「hand in hand」はこのプロジェクトがあったからこそ生まれた言葉でした。「つなぐ酒、つなぐ蔵…」と言葉がつながっていくのですが、そこから浮かんだイメージが手と手をとりあうビジュアルでロゴの元となったものです。この手の重なりにはこだわりがあります。同僚と一緒に、「添えるように」「がっつり」など、いろんなパターンで手をつないで写真を撮り、どの重ね方が一番吉田酒造店っぽいだろうと研究したんですよ。そして曲線や重なり具合、フォントなどを出島さんに調整してもらって決定したのがこれです。

出島何パターンも調整したのを覚えています。ロゴデザインの生い立ちをプレゼン資料として用意したら、それをそのまま気に入ってもらったんですよね。

濵田そう、パンフレットにもしっかり載っています。

井上「手取川 純米大吟醸 kasumi」「手取川 スパークリング 純米大吟醸」のラベルデザインも結構な案数を提案しましたよね?

出島そうですね。プロジェクトの確定前に制作したのですが、「hand in hand」にどこか通じるものはあったと思います。みなさんの自信作であるお酒の顔になるので、デザインへのこだわりはとても強かったですね。先方の好みのスタイルが明確なので、最初は理解するために専務から本をお借りしたこともありました。デザイン案もなるべくたくさんご提案して、その場で瓶に貼りながら検討したこともあります。その検討を重ねていくうちに、吉田酒造店らしさや、手取川らしさというのを、社員のみなさんも私たちも理解していきました。

濵田トライ&エラーを繰り返して見つけていった感じでしたね。

井上現在も継続してさまざまなお手伝いをしています。今後ももっと吉田酒造店の力になれるようこのチームで力を尽くせればと思っています。

ロゴの生い立ちが掲載されている
パンフレット
手取川 スパークリング 純米大吟醸
お子さんも一緒に座談会に参加しました

一緒に楽しめる人と働きたい

井上この案件を濵田君、出島さんと取り組めたのは本当に良かったと思います。私が仕事をする上で大切にしていることは「楽しむこと」。2人との仕事はいつも楽しいんですよ。

濵田嬉しいですね!

井上濵田君は、映画上映のイベントが成功したとき抱き合って泣いたくらい、この仕事への想いをわかりあえたと思います。

濵田わかりあえましたね。同じ目標に、同じ熱量で向かっていたのを強く実感しました。

井上他にも、2人は私の想像を超えてくるんです。出島さんのラベル・パッケージデザインは「あの打合せでこんなステキに仕上げてくれるのか」と毎回思ったし、濵田君はwebサイトのディレクションで本当に驚かしてくれました。ADCの受賞につながったのも納得の出来栄えです。2人の想像を超える力が、私の「楽しさ」につながりました。「楽しい」と思える何かがあると、また一緒に働きたいなって思いますね。

出島わかります!私も楽しんで仕事できるのが一番かなって。ただ、チームでの案件だと、意見がぶつかってまとまらないなどの、チームならではの困難はつきものなので、大変な局面でも楽しんだり、燃えたりしてくれる方がいいなと思います。大変なときほど、一緒に乗り越えられる明るさや、熱い想いを持っている人と働きたいですね。

濵田プランナー・ディレクターの立場からいうと、私は「求心力」を大事にしています。人を巻き込む力とか、みんなのモチベーションをあげたり、キープしたりしながら楽しく仕事したい。デザイナーや営業、もちろんお客様も含めて、みんなで楽しく意見を出し合えるような空気づくりというのを重視しています。その空気感を一緒につくれる人とチームを組むことができればと思います。私のボケに笑って良い反応くれる人なんて最高ですね。

井上濵田君のボケも含めて私は好きです(笑)楽しんで仕事ができるのも、当社のもともとある空気感あってのことかなとも個人的に思います。就職活動を進めている学生のみなさんも、「どうやって働きたいか?」「何がしたいか?」など働き方への想いを一度振り返って考えるのもいいかもしれませんね。